世界遺産登録に向けて

昨年7月に開催された第32回世界遺産委員会では、『平泉の文化遺産』は登録延期となりましたが、その後、国・県および関係市町により、国内イコモス委員などで構成する推薦書作成委員会や海外の専門家を招いての国際専門家会議が開催されました。
その結果、登録推薦書の作成は、主題を『浄土世界』を中心とし、構成資産については、『浄土世界と直接的な緊密性を有するものに限定すること』とされ、平成23年の登録に向けては、まず「中尊寺・毛越寺・無量光院跡・金鶏山・柳之御所遺跡」の5資産を推薦し、当市の「骨寺村荘園遺跡」などの4資産は、将来的に調査研究の成果が整理できた段階で拡張による世界遺産登録(※)を目指すこととなりました。
このことを踏まえて文化庁と県は、「その方向性で進めたい」と関係市町に説明し地元住民説明会を開催。4月23日には、平泉文化遺産センターで、高杉文化庁文化財部長、法貴県教育長が出席して一関市長、奥州市長、平泉町長との協議が行われました。
協議で文化庁は「これまでの地元関係者や市民の皆さんの努力を重く受け止めており、9つの資産すべてについて非常に高い価値がある。今後、拡張による世界遺産登録に向け、文化庁としても県や関係市町と一体となってできる限り努力したい」と表明しました。
こうした状況から、市としては、素晴らしい価値を有する「骨寺村荘園遺跡」が、一刻も早く世界遺産に登録されるように取り組みを進めることとしていますので、今後とも市民の皆さんのご支援ご協力をお願いします。

※拡張による世界遺産登録
一度、世界遺産登録されたものに、後から追加の登録をすること。
拡張による世界遺産登録は、新規登録と同じ手続きを取るため、推薦書の提出後、世界遺産委員会で審査されるまで約1年半の期間を要します。

問い合わせ先
骨寺荘園室

(広報いちのせき 平成21年6月1日号)