水害へ「備え万全」の決意を込めて

堤防の決壊を防ぐ、くいと竹を使った「籠止め工法」を行う水防隊。時間との戦いに思わず力が入ります川に取り残された人を、ワイヤーを使い川岸まで救出する訓練

積み土のう工法には自主防災組織などの皆さんが取り組み。重い土のうを協力して運びました水害で負傷した人を速やかに病院へ運ぶため、県防災ヘリ「ひめかみ」による搬送訓練も行われました

20年度市水防訓練は10月5日、狐禅寺の一関遊水地周囲堤で行われ、市水防隊や自主防災組織など市内の各種組織・団体や、国、県などの関係機関、合わせて約800人が参加しました。
開会式では、水防管理者を務める浅井市長が「本年は昭和23年のアイオン台風から60年目。あのような惨禍に再び遭うことのないよう、市民一丸となって安全安心のまちづくりを進める」と告辞。大雨で北上川と磐井川がはんらんする恐れがあるという想定により訓練が行われました。
訓練では、水防隊員らにより堤防の決壊を防ぐための▽Tマット▽五徳縫い―など5種類の水防工法が行われました。このうち積み土のう工法では、自主防災組織や水防ボランティアの皆さんも土のう作りや土のう運びに汗を流しました。また、市消防団機動部隊による土砂流出防止訓練や陸上自衛隊と市婦人消防協力隊連絡協議会による応急給食訓練、県防災航空隊と市消防本部による川に取り残された人の救助救出訓練なども行われました。
岩手・宮城内陸地震に見舞われ、復興に全力を上げている当市。自然の驚異を改めて感じさせられた中での訓練に、参加者は皆、災害に対する日ごろの備えの重要性を改めて認識し、防災に対する決意を新たにしながら、懸命に励んでいました。 

(広報いちのせき平成20年11月1日号)