地域から声を上げて元気なまちづくりを

移動市長室で川崎町を訪れた市長と募金活動を行う部員たち

今年開催された市内の夏祭りなどで、まん丸で黄色い着ぐるみを見かけた人もいると思います。

その名も「かわたまドン太君」。

2年ぶりに8月14日催された第41回かわさき夏まつり花火大会の復活を盛り上げようと、一関商工会議所青年部川崎支部(遊佐芳昭支部長、会員22人)の部員が制作しました。

2尺玉をかたどったまん丸の胴体で、左腕は打ち上げ筒。

お尻には導火線形のしっぽが取りつけられています。

頭のてっぺんからは電飾と花火が飛び出し、頭には、北上大橋の形の冠と北上川に見立てた前髪が下され、川崎町の名所が所々にあしらわれています。

「不況のあおりをうけ、花火大会が休止に追い込まれた昨年の夏。不安だった」と同支部の小野雅彦さん。

これを受けて同支部の部員たちは、1年後の再開に向け、昨年の秋から実行委員会幹部らと何度も話し合いを重ねてきました。

これまでは企業や行政に頼る部分が多かった大会を、これからは、運営する側と見る側にとらわれずに、観客にも一役買ってもらいながら、全員参加型のお祭りにしていこうとの考えにたどり着きました。

イメージキャラクター「かわたまドン太君」もその中から誕生しました。

「まさか本当にできると思わなかった」と遊佐芳昭支部長。

部員同志でお酒を飲みながら、落書きをしているうちに出来上がったとのこと。

さまざまな職種を持つ部員たちが日常の仕事を終えてから夜遅くまで製作。

出来上がるまでに2週間かかりました。

市内のイベントには積極的に参加するよう心掛けたと話す部員たちは「ドン太君のおかげで、気軽に他の地域のイベントに参加できた」「ドン太君の周りに子供たちが寄ってくるので、交流しながら募金活動や広報ができた」と振り返ります。

花火大会当日はあいにくの雨に見舞われましたが、「かわたまドン太君」の宣伝効果は、十分に手ごたえがありました。

今後は、ドン太君のキャラクターグッズ製作や、花火大会当日の募金活動の方法など、来年に向けた検討が既に始まっています。

旧川崎村の時代から「ちっちゃい村のでっかい花火大会」のキャッチフレーズで知られていた花火大会。

合併後は「おらが自慢のでっかい花火大会」にフレーズを変えて催しています。

「先輩たちが築いたものを、これからも引き継いで、地域に貢献していきたい」「地域から声を上げ、元気なまちにしていきたい」と話す部員たちから、地域を大切に思う気持ちと団結の強さが伝わってきます。


 (広報いちのせき 平成22年10月1日号)