地域活性化を図ろうと 秋祭りや七日市を復活

毎回新鮮な野菜などが並ぶ七日市で品定めをする買い物客

かつて内陸と沿岸を結ぶ宿場町だった大東町の猿沢地区。

物流拠点として江戸時代から大船渡線の開通まで、2と7のつく日に「市」が開かれていました。

沿岸からは魚などの海の幸、内陸からは米や野菜など山の幸が豊富に市に並び、物々交換などが行われ、近郷近在から多くの人でにぎわっていたといわれています。

猿沢地区の有志で組織する猿沢秋祭り実行委員会(首藤幸三委員長)は、「猿沢秋祭り」の開催と「七日市」の復活を行いました。

「地域の活性化になるし、子供たちにとってもふるさとの思い出になる。地域の皆さんの生きがい、楽しみにもなれば」と首藤委員長。

秋祭りは毎年10月に行われている猿沢神社の例大祭の日に合わせて開催したもので、今年で3年目。

市の地域おこし事業を活用し、同地区の中心部のお祭り広場を会場に、峠山伏神楽をはじめ、水神さんさ、県立水沢農業高校の生徒による黒川さんさ踊り、よさこいソーラン、チャグチャグ馬コとのふれあい、乗馬体験コーナーなど、さまざまな催しでにぎわいました。

特に盛り上がりを見せたのは、昨年全国大会で8強に入る活躍をした猿沢中卓球部員による公開練習と模範試合。練習公開のほか、飛び入り参加者とも対戦しました。

七日市は昨年7月7日の七夕の日に復活させ、今年で2年目。

地区内の目抜き通りを会場に朝8時30分から行われ、昨年度は月1回通算10回開催。

今年も5月からの毎月7日に開催。

利用者からの要望により8月は2回、9月からは7日のほかに17日と27日の月3回開催しています。

今年の7月7日の市には、地元の子供たちの願いを込めた七夕飾りが市に花を添えました。

七日市会員は10人ほどで、トマトやキュウリ、ダイコン、リンゴなど季節の新鮮野菜などが100円均一の格安で提供され、年末には手作りのしめ縄も並びます。

地元をはじめ地区外からも利用され、手応えは十分。

来客用の駐車場と、トイレ、お客さんがゆっくり座れる場所がないのが気がかりな点。

市の代表を務める小野寺康美さんは「お客さんは毎回楽しみに待ってくれている。この七日市を地域の憩いの場にしていきたい」と来年に向けて意気込みます。

首藤委員長は「これからも秋祭りや、七日市を続けていくことが地域おこしにつながる」と期待を込めます。

(広報いちのせき 平成23年1月1日号)