心を込めた家庭の味で ぬくもりと安心のお弁当

毎回新鮮な野菜などが並ぶ七日市で品定めをする買い物客

昨年12月12日、千厩町本町商店街の空き店舗を改装してオープンした、手作り弁当とお惣菜の店『まんまや』(棚橋とき子代表)は、チャレンジする「お母さん」10人が立ち上げた夢の会社です。
平成21年12月に閉鎖したソニーイーエムシーエス千厩テックの元従業員だった10人は、閉鎖に伴う県外への配置転換ではなく、家庭を優先し退職を選択しました。

その後の生活で、自分たちには何ができるのかとの不安を抱える中、奥玉公民館が実施したエンパワーメント講座に参加。

情報交換を行いながら地域活動や福祉、ボランティアなどの講演や女性起業などについて学びました。
メンバーの千葉恵子さんは、「山形でお弁当づくりをしている農家主婦グループを視察研修したとき、年配のお母さん方から『私たちにできるのだから、若いあなたたちなら、絶対できるから』と声を掛けられ背中を押してもらった。それまでの不安が希望に変わり、同じ仲間で新しい仕事にチャレンジしたいと思いました」と、そのときのうれしさを話します。
メンバーは、高齢化社会に対応した「宅配弁当のお店」の立ち上げに絞り込んで講座を重ね、いちのせき元気な地域づくり事業「新規店舗開店等支援事業」を活用。

退職から約1年を経て、夢を実現させました。
地元産の米や野菜を中心に、国産の食材を使い『家庭の味』にこだわった弁当は、肉と魚の2種類から選べる日替わり(390円)で、高齢者や単身者にも食べてほしいと塩分や油を控えた飽きのこない味を目指しています。

職場や高齢者宅に届ける宅配弁当(400円)は、温かいごはんと手作り味噌汁を味わってもらおうと、保温容器と保温バッグを使っています。
「反響が大きくて戸惑いもあるが、まだまだ始まったばかり。お弁当を届けたお年寄りから『(「まんまや」ができて)安心した』との声をいただいた。地域に必要とされていたものができたと感じ、とても心強い」と千葉さん。
現在は、店頭でお茶やスイーツも楽しめ、時間を気にせずくつろげる交流の場所づくりを計画中。

「今後はもっと勉強してメニューを増やし、限定メニューや季節のお弁当などにも取り組んでいきたい。千厩夜市など地域のイベントにも参加して皆さんの声を聞き、メンバーの得意なものを生かしてチャレンジしたい」と、夢はますます広がります。

(広報いちのせき 平成23年2月1日号)