女性や若者が活躍できる社会に

最大の課題は人口減少

 国勢調査の数値を基に市の人口を見ると、昭和30年の174,342人をピークに減少傾向が続き、令和2年人口の確定値では111,932人、ピーク時の昭和30年と比較して62,410人の減少となっています。今後はさらに加速度的な人口減少が見込まれ、地域の経済、医療、福祉、介護、教育や生活の利便性などさまざまな分野に影響を及ぼすとされています。

 最大の課題は人口減少です。人口減少そのものを止めることは困難ですが、人口減少によるダメージを少なくすること、地域の活力を高めるためにできること、今後、取り組むべき方向性について議論を進めていかなければなりません。

女性と若者に視点を当てて

 戦後、日本の経済成長を支えてきたのは、年功序列と終身雇用と言われています。ただし、この二つはいずれも男性社会を前提として成り立っていたものでした。男性はどこかの会社に所属すれば退職するまで階段を上がっていくように社会的に認知されていました。

 しかし、その枠組みの中に女性の活躍する場所はなく、また、男女ともに「若手」のうちは、型にはまった労働力の一つとしての存在にとどまっていました。

 現在は仕事も家庭も子育ても、各自の考え方で営まれ、何に重きを置くかは人によってさまざまです。

 この自己実現への欲求を満たしていくこと、そして、その中で社会が成長するための環境づくりを進めることが、人口減少下における「活力」の維持につながります。

 女性や若者が活躍できる社会を目指し、これをターゲットとすることで一人ひとりが輝く「ひと」が中心の社会の実現を目指していきたいと考えました。

会議の様子

女性、若者、若手農業者のアイデアやヒントを生かして

 最大の課題である人口減少に対処するために、市長自らが女性活躍、若者活躍を体現していると考える人に直接話を聴き、女性や若者の活躍に関するアイデアやヒントをもらい、施策に反映したいと考え「女性活躍会議」「若者活躍会議」「農業未来デザイン会議」を立ち上げました。

 市の施策を進めるために、各種計画策定の審議会など、これまでもさまざまな意見をいただく場はありましたが、この会議では、これに加えて従来とは違う角度からまちづくりへのヒントをさぐります。

 各会議からの意見を参考とした令和4年度新規事業

 3つの会議における意見などを踏まえ、令和4年度から新たに取り組むこととした事業は次のとおりです。

事業名 主な内容 担当課
女性活躍推進セミナー実施等事業

女性管理職の育成を目指すセミナーの開催

女性が活躍するモデル事業所による研修会などの開催

事業所が実施するセミナーなどの開催経費に対する補助

商工労働部工業労政課
女性にやさしい職場環境整備事業費補助金 女性の視点に立って事業所などの更衣室やトイレなどを改修する場合の経費に対する補助 商工労働部工業労政課
就職仲介システム活用支援事業費補助金 市内事業所の人材確保を支援するため、有料就職仲介システムへの求人掲載に要する経費に対する補助 商工労働部工業労政課
地域ビジネス創出事業 地域特性を捉えたビジネスの創出と創業支援体制を構築するため、ワークショップや創業塾、個別支援などを実施 商工労働部企業支援室
農産物魅力発信人材育成事業 農産物の専門的な知識を生かし、地域のために農産物のプロモーション活動に取り組む女性や若者の野菜ソムリエなどの資格取得に要する経費に対する補助 農林部地産地消・外商課
いちのせき農業継承事業費補助金 農業経営を中止する農家と新規就農希望者間において、生産基盤の継承を推進するため、継承を前提とした農家研修に要する経費に対する補助 農林部農政課