縁起物のひょうたんに地域活性化の夢広がる

地元の公民館まつりに出品。干支にちなみ、かわいいミッキーマウスを絵付けした作品もあります。前列中央が千葉会長

花泉ひょうたん会

昔から病気や災難除け、不老長寿の縁起物として珍重されてきたヒョウタン。「花泉ひょうたん会」(千葉房雄会長、会員15人)は平成12年に結成し、ヒョウタンの栽培と絵付けなどの加工を手がけています。
結成のきっかけは10年、老松公民館「高齢者学級」の名称が「ひょうたん学級」と改名され、その記念としてヒョウタンの苗が配られたこと。誰も栽培したことがなく、新聞でひょうたん会のことを知った千葉会長は茨城県まで出かけました。「試行錯誤の末、絵付けまでこぎつけた。だからこそ、その魅力に取り付かれてしまった」と千葉会長は語ります。
 栽培で気を使うのは収穫の時期。「皮の表面の産毛がちょっと白っぽくなってくるんだね。その時期を判断するこつは、長年の勘」とにこやかに話します。収穫後半月ほど水に沈め、中の種を取って乾燥し、最後に絵付けとなります。
 「一つとして同じ形の物はなく、その形に合った絵柄を考えるのも楽しい。縁起物の七福神・美人画など古典的な絵柄が多いね。大きさは1メートルを超える物もあるよ」と、ヒョウタンへの思いを語る言葉には力が入ります。
 出来の良い物は人にあげてしまうといい、「縁起物だけに、結婚式などのお祝い事にあげるなどして、喜ばれた時はうれしいね」と目を細めます。  
 作品は文化祭、地区公民館まつりなどで発表。曲面にバランスよく描く作業なので、本格的に絵付けをする会員は限られてしまうそうです。絵付けする皆さんは、自己流といいますがなかなかの腕前。繊細で色彩豊かに描かれた作品は、ヒョウタンを芸術品に仕上げた心意気が、観る人の心に響く逸品揃いです。
 ヒョウタンを身近に感じてもらいたいと、小学校で絵付け教室を行ったり、新入学児童に「交通安全」の文字入りヒョウタンを贈ったりしています。
 「今年は、東京の江東区民祭りに工芸品としてヒョウタンを出品し好評だった」と話す千葉会長。単なる趣味を超え、工芸品、さらに花泉の特産品として栽培できたらという、会員の夢が実現に向けて一歩踏み出しました。
 チャレンジ精神を持ち続ける「ひょうたん会」の夢は、ますます大きく広がっていきます。 

 ヒョウタンを栽培してみたい方や絵付けをしてみたい方、連絡ください
■連絡先…千葉 電話82‐1319

 (広報いちのせき平成20年1月1日号)