絵本との楽しい出会い そのきっかけづくりを

6月22日、清田小で行われたおはなし会では「こぶじいさま」などを読み聞かせ。子どもたちが食い入るように見つめます

 「子どもたちは読み聞かせにじっと耳を傾けて『おもしろかったよ。また来てね』と言ったり、町で出会うと『あっ、ぱちぱちのおばちゃんだ』って、声をかけてくるんですよ。だからやめられないんです」。満面の笑顔で語ってくれたのは、おはなしぱちぱちの代表を務める佐藤牧子さん。
 「おはなしぱちぱち」は、平成11・12年度行われた町民大学「図書館読み聞かせコース」受講者を中心に、絵本の読み聞かせや大型紙芝居の出前公演など、ボランティア活動を通して子どもたちが絵本に出会うお手伝いをと13年度結成。現在、50代から80代の会員10人が、月2回の千厩図書館でのおはなし会や千厩地域内の幼稚園、保育園、小学校での出前公演、千厩夜市での大型紙芝居の上演など、地域内はもとより、要望があれば市内外へと足を運び、年間130回もの公演活動を行っています。
 自らの資質の向上が大切と、研修会には積極的に参加。毎月の例会では、その研修報告や本の選定、読み方について意見を交わします。読み聞かせで大切なのは、「どう読むか」より「どの本を選ぶか」ということ。手作りの横断幕や次回予告を会場に張り出したり、テーマソングを流すなど、心のぬくもりが伝わるようにと気を配ります。
 また、公演のたびに記録を付けたり、会員用の「ぱちぱち通信」を発行したりと、情報を共有することで会員の共通理解を深め、活動の前進に役立てています。
 取材に伺った日は、25作目になるという大型紙芝居を作成中。縦75センチ×横95センチの迫力のある紙芝居は子どもたちにも大人気。このほか、詩の朗読や手遊び、月の歌、ストーリーテリング(素話)なども行っています。
 今後は、「地域に伝わる昔話を大型紙芝居にして伝えていきたいし、中・高生や男性にも仲間に加わっていただければ」と抱負を語ります。
 本の読み聞かせ活動を通じて、地域の良さを伝え、心やさしいふるさとづくりに貢献しているおはなしぱちぱちの皆さん。「子どもたちから常に教えられ、感動をもらい、それがエネルギーとなっています。子育て支援の一つとして皆さんから喜ばれ、心やさしい子どもたちが育ってくれることを願って、あせらず、無理せず、できることから取り組んでいきたい」と語る穏やかな表情から、これからの活動に対する意欲が伝わってきました。

活動メモ

■活動日…第1・第3土曜日
■活動場所…千厩図書館
■連絡先…佐藤 電話0191-52-2587

(広報いちのせき平成19年7月15日号)