まごころをテープに込めて視力障害者に楽しみ届ける~

中央に置かれたカセットテープが、会員と利用者をつないでいます。前列左が千葉代表 「声の新聞・朗読グループ」が活動を始めたのは平成3年。代表を務める千葉かきわさんが、旧一関市での視力障害者に身近な話題を届ける「声の新聞」活動を知ったことを機に、花泉でもぜひにと始めました。
 3人でスタートした会員は、現在9人。交代で月2回、市の広報、地方新聞、地方情報紙などから身近な情報を選んでテープに録音して視力障害者などに届け、現在6人が利用しています。
 「聴く人に楽しんでもらい、そして飽きずに聞いてもらえるよう、ごく身近な情報などを織り交ぜるなど、内容を工夫しています」と千葉代表。利用者からは、「16年間聞き続けている」「ラジオで放送されない地元の身近な情報を知ることができる」など喜びの声が寄せられています。
 一関や千厩で同様に活動するボランティアとの交流を図り、発声方法など朗読の基本を学ぶなど研修にも努めました。
 結成して3年後から、「ひまわり」と名づけた会報を月1回、当番制で発行。それぞれに担当者の録音内容、反省などがびっしりと書き込まれ、とじ込まれてきた会報の分厚さに、歴史の長さが感じられます。
 活動を続けるには苦労もあります。「録音中静かにしてもらうなど、家族の協力があってこそ続けてこれました。雑音が入りがちなので、専用の録音室があればいいのですが」と千葉代表は話します。
 そのほか、昔話を語り継いでいきたいと、毎週JAいわて南花泉有線放送で昔話を朗読する活動を行い、地域の皆さんに楽しんでもらっています。
 長年の地道な活動が評価され、16年11月に社団法人日本善行会の秋季善行表彰、19年2月には「小さな親切」運動県本部(代表・永野勝美岩手銀行頭取)から小さな親切実行運動章が贈られました。長く続いている活動のこつを聞くと、「利用者に喜んでいただける、ただその思いだけです」と一様に話し、ボランティア精神と強い使命感に支えられていることが伝わってきます。隔月の定例会は情報交換とともに会の親睦も兼ねる、楽しいひとときです。
 「利用者がテープを聴くのには家族の協力が必要です。視力障害者以外に、自分で新聞を読めない高齢者にも届けてあげたい。表彰を励みに、これからも活動していきます」。穏やかな中にも力強く話す千葉代表です。

活動メモ

 一緒に活動したい方、利用したい方、連絡ください。

■活動…各家庭で情報の録音、情報紙発行、定例会の開催など
■連絡先…千葉 電話82‐2568

(広報いちのせき 平成19年5月1日号)