開始時刻 午前11時10分

○市長発表事項

1 行政手続きのオンライン化「一関市スマート申請」の導入について

【市長】
市は、スマートフォンを使用して、転出届や各種証明書等の申請手続きなどを行うことができる「スマート申請」のサービスを県内で初めて導入する。所信表明の中ではデジタル化の推進に言及しており、公約でも触れている。スタートアップになると思っている。
目的は、新しい生活様式に対応し、新型コロナウイルス感染症の感染リスクの低減と市民の利便性の向上を図る。また、デジタル技術の活用により、内部事務の効率化を図り、限りある人的資源を住民サービスの更なる向上につなげていく。国では、規制緩和の中の一つに位置付けていたと思う。新聞記事で、社長にアンケートを行ったところ、一番多い回答がデジタル化を希望するものだった。内部事務の効率化を図っていけば、業務の余剰分が生じる。その余剰分を新たな住民サービスに繋げられる。

これまで、書面により行っていた申請や届出の手続を、手軽にスマートフォンやパソコンから行えるようになる。申請のために市役所に行く必要がなく、どこからでも手続が可能になる。マイナンバーカードを保有している人は、他市町村へ引っ越しする場合、窓口に来庁しなくても転出届の手続がオンラインで申請できる。3月、4月の引っ越しシーズンの窓口の繁忙期は、短期間に来客が集中し手続完了までの待ち時間や待合スペースの三密対策は課題となっている。スマートフォンで手続を行うことが出来る人に積極的に活用してもらうことで、来庁者数の減少につながり、「待たない窓口」「行かない窓口」に取り組めると考えている。
証明書の発行手数料はクレジットカードで行うことが出来るので、窓口に来庁せずに申請でき、証明書は郵送で受け取ることが可能。市担当者から、申請受付、処理進捗状況、申請処理完了の状況を随時、申請者にメールでお知らせする。申請データの集計も容易であるため、効率的な事務処理につながるものと期待している。

対象としている証明書は、税務課が発行している所得課税扶養証明書と軽自動車車検用納税証明書の2種類。住民票や印鑑証明書、戸籍証明書の発行は予定していない。理由は、住民票と印鑑証明書の発行はマイナンバーカード保有者においてはコンビニエンスストアで交付が可能なため郵送料はかからない。また、戸籍証明書の発行は現在、国の規制改革推進会議で検討されており、スマート申請への採用は未定となっているためである。
なお、運用開始日は明後日の11月24日から。今回、11月24日から利用開始するものと、年度内にサービスを予定するものがあると記載しているが、市が行っている業務はもっとたくさんある。したがって、それらの検討は順次行っていく。いつ頃までにデジタル化ができるのかの内部の検討は今後本格的に着手するが、出来るものから始めていくことにした。

【総務課長】
11月24日からサービスを開始するものとして、資料記載の3件。また、年度内にサービスを開始する予定の主なものとして、証明書の発行は、「転出届の手続き」と「所得課税扶養証明書及び軽自動車車検用納税証明書の交付手続き」の2件。申請手続きの主なものとして、「国民健康保険脱退届」などをサービス開始予定としている。
導入にあたり、新型コロナウイルス感染症に対応した新たな行政手続のあり方、スマートフォンの普及による住民のライフスタイルの変化、将来的な自治体職員の減少の背景があり、デジタル技術により既存の行政サービスや働き方を抜本的に改革する必要があると考えている。
利用方法は、市のホームページ上の「スマート申請(ネットで手続き)」というポータルページを設ける。インターネットで「一関市 スマート申請」を検索してもスマート申請できるページにつながる。その後、「一関市スマート申請でできる手続き」の一覧の中から必要な手続きをクリックする。その後、申請画面で必要な項目を入力する。内容を確認し、送信する。その後、登録したメールに「申請完了」の通知が届くという流れとなる。
転出届で必要なものは、スマートフォン、パソコン、マイナンバーカード。マイナンバーカードが必要となる手続きをパソコンで行う場合は、マイナンバーカードを読み取るカードリーダーが必要となるが、スマートフォンだとカードリーダーなしで読み取りが可能なのでスマホの方が簡単である。
証明書発行に必要なものは、同じくスマートフォン、パソコン、マイナンバーカード。転出届、証明書以外の手続きでは、マイナンバーカードは必要ない。法令などによりオンライン化の対象外とされている手続きを除き、全ての行政手続きについて、今後、業務の棚卸しを図り、1つでも多くオンラインで手続きが出来るよう取り組みを進めたい。

一関市スマート申請は、株式会社グラファーが開発・提供している「グラファースマート申請」を採用した。総務省が示しているマイナンバーカードと公的個人認証サービスを用いた本人確認を採用しており、高度なセキュリティが保たれている。特徴として、 24時間いつでも申請手続きが可能。 書類の添付が必要な手続きは、画像(写真)添付が可能となっている。 申請データは高度なネットワークセキュリティで保護され、安全に市に送信されることになっている。
スマート申請の事業費は、オンライン申請システム構築委託料として、2,090万円。財源は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充てる。導入初年度のため、2,090万円となっているが、来年度以降はシステムの使用料となり、年間13万円程度の経費となる。

【記者】
スマート申請で、下水道法に係る身分証明書発行について詳しく教えて欲しい。また、今後、オンライン化の対象を増やしていくことを想定しているが、どういったものを検討の対象となっているのか。今回の件で、一関市のマイナンバーカードの普及率の底上げをしたいという意図が含まれているのか。
【市長】
マイナンバーカードの普及率について、昨年の給付金手続きで反省が多かった。紙での申請とデジタルでの手続きの併用で現場も混乱した。今回の国の補正予算にもデジタル化を進め、マイナンバーカードの普及を図っていくと総務省の方向性がはっきりと示されているので、市としてもマイナンバーカードを普及することによって事務の効率化の道筋が見えてくると思い取り組んでいる。
【総務課長】
下水道法に係る身分証明書について、下水道業者が検査に行く際、下水道法に基づき市から立ち入りの許可をもらっているという身分証明書が必要になっている。件数は結構多い。業者に市が発行する身分証明書となる。
今後の検討対象について、個別には担当課で検討している。原則、すべての行政手続きが検討対象となるが、高齢者、障がい者など市役所に直接来るのが困難な方の手続きをオンラインで便利にする方向を重点的に進めたい。

【市長】
例外なく、聖域なく検討していく。

【記者】
マイナンバーカードは必ず必要となるのか。
【総務課長】
本人確認が必要な転出届や証明書は必要。申請手続きについては必要ではない。

【記者】
これまでの窓口サービスはどうなるのか。
【総務課長】
これまでと同じように対応する。オンライン申請を行う事で職員の事務の効率化が図られ、余力が発生した場合はさらに住民サービスに力を注入できる。

【記者】
転入届は出来ないのか。
【総務課課長補佐】
転入手続きについては、どこの住所に転入したのか手続きしなければいけないので、 オンラインでは出来ない。

【記者】
これまでどおり転出届を持って転入先の役場に持って行くことになるのか。
【総務課課長補佐】本来であれば、転出届を持って窓口で住民登録することになるが、マイナンバーカードで転出手続きすれば、転出先の役場にマイナンバーカードを持って行けば、書面は必要なく手続き出来るようになっている。

【記者】
マイナンバーカードが必要になるのは、証明書発行手続きの3件のみ。下水道法にかかる身分証明書発行については、業者が建物に立ち入りする際の身分証明書を市が発行するものということだと理解したが、この身分証明書の発行申請の件数はどのくらいあるのか。
【総務課長】
具体的な件数は押さえていないが年間で数件ではなくもっとある。

【記者】
どの申請手続きが一番ニーズがあると思うか。
【総務課課長補佐】
廃品回収は、子供会やスポーツ少年団が多く申請している。これらの事務局は若い方が多いので手続きが楽になると思う。
また、下水道法にかかる身分証明書は、本庁と千厩支所のみで受付しているので、わざわざ移動する必要が無いオンライン手続きを進めるもの。

【記者】
どの程度の割合をオンライン手続きの対象とする考えか。
【総務課長】
今回は24日からサービスを開始する3件を発表したが、準備が整ったものから順次サービスを始めていく予定。住民からオンライン化のニーズがあれば、準備が整えば対応していく。オンラインが可能か個別のチェックが必要なので、何パーセントを対象にするのかは把握していない。原則は聖域なく対応できるものは行っていく。


2 令和3年度一関市成人式における新型コロナウイルス感染症対策について

【市長】
市は、成人式に出席を希望する人に安心して出席していただくため、感染症対策を実施する。昨年延期した令和3年成人式と令和4年成人式は、1月8日(土)と9日(日)の2日間に渡って実施。感染対策として、受付時の密を回避するため、出身中学校単位で受付時間を指定する。受付窓口は例年より増設する。式典会場は、概ね30分に1度、10分間の換気を行う。また、CO2モニターを会場に設置する。
当祝者の出席は、新型コロナワクチン接種を2回完了している人、あるいはPCR検査を受けてもらい陰性が証明された人とします。保護者などの観覧者は、当祝者1人につき1人とし、受付の際に氏名、連絡先などを記載した入場整理券の提出を求めます。なお、観覧者に対しても、入口でワクチンの接種済証、またはPCR検査等の陰性結果通知の提示を求める。観覧者のPCR検査等は各自でお願いする。但し、当祝者への検査は市で行う。
資料1ページに記載しているが、出席者(当祝者本人)に対するスクリーニングを実施する。まず、会場で検温を実施し、発熱がある人には出席を自粛していただく。
受付では新型コロナウイルスワクチン予防接種済証(コピーも可)を確認します。12月24日までにワクチン接種が2回完了していない人には、市が実施するPCR検査を受けてもらう。受付で陰性結果通知の確認をする。

市が実施するPCR検査について、対象者は成人式に出席予定で新型コロナワクチン接種が完了していない人。成人式の出席者2,000人の25%と想定し500人としている。検査費用は無料。検査方法は検査機関から検査キットを対象者に送付。対象者は自ら検体(唾液)を採取して検査機関に検体を郵送することになる。結果通知は検査機関からアプリを通じて対象者に通知される。
成人式に出席予定の当祝者でワクチン接種が2回完了していない人を、出席申し込みの際に把握し、対象者に検査機関から検査キットを送付して検査を受けてもらう。検体採取日と返送日は、令和4年1月8日の成人式の人は令和4年1月5日に検体を採取し同日に投函してもらう。令和4年1月9日の成人式の人は令和4年1月6日に検体の採取及び投函となる。PCR検査で72時間以内の陰性を参加条件としている。市からの案内状は11月29日に送付する。検査キット送付先の登録を11月29日から12月17日まで行い、検査キットを12月21日に送付する。

新型コロナウイルス感染症の流行状況に伴う開催の判断基準については、岩手県が、国による緊急事態措置を実施すべき区域に指定されたとき、または一関市がまん延防止等重点措置を実施すべき区域に指定されたとき、市内において直近1週間あたりの新規感染者数が人口10万人あたり15人を超えたとき(ステージⅢ相当)はオンライン開催を検討する。
県独自の緊急事態宣言が発出されたときは、県が発出したイベントの開催基準に基づいて判断する。それ以外については、感染対策に留意して実施する。これらの判断は、12月下旬に行う。
なお、成人式における公費でのPCR検査は県内初めてとなる。

【記者】
2点伺う。一つ目は出席者に対する予防接種済証について、接種を受けた時にナンバーがついたシールを貼られるが、それには臨時と記載されている。これを予防接種済証として確認するものとして適当なのか。改めて接種済証明書を発行してもらい見せる必要があるのか。
二つ目はPCR検査について、検体採取日と返送日が決まっているが、採取日より前に採取し検査した時の陰性結果ではだめなのか。
【市長】
一つ目の質問について、推測だが、予防接種法における臨時接種という枠組みの為、臨時という記載となったと思う。
【いきがいづくり課長】
PCR検査について、健康づくり課と打ち合わせを行っている。対象者に郵送する際に、証明書はどういったものかイラストを同封して迷わない様にする。また、検体の採取日については、成人式の3日前と決めたのでその日のみとなる。


【記者】
PCR検査にかかる事業費と財源を聞きたい。
【いきがいづくり課長】
事業費は374万円。財源は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金。

【記者】
PCR検査を公費で行うこととした理由は。
【市長】
安心して成人式に参加してほしいため。少なくとも当祝者分は公費負担とした。国の経済対策では、PCR検査を公費負担の道筋が出ている。大分前から検討していた。

【記者】
成人式でのPCR検査以外に公費負担が出てくる可能性は考えられるか。
【市長】
ワクチン検査パッケージが使いやすいのか、医学的に有効性がはっきりするのかが分かれば幅は広がってくると思う。
 

○その他

【記者】
飲酒運転しない・させない誓約書は警察署に提出したのか。
【市長】
まだ出していない。具体的な中身は決まっていないが、文書を作成したいと思っている。当然、飲酒運転しない・させないを実行しながら、会食・飲食の場に行くということを商工会議所などに持って行きたいと思っている。
誓約書を出すというよりは、自ら書いたものを確認し行動することが大事。これが私としての行動。

 

閉会時刻 正午

031122 記者会見資料 [462KB pdfファイル]