開始時刻 午前11時05

○市長発表事項

なし 

 

○その他

【記者】
先週の18日に世界遺産拡張登録検討委員会が東京で開催され、構成資産の推薦などについて検討が行われ、方向性としては、柳の御所遺跡のみ推薦書プランに盛り込むということになった。一関市としては、骨寺村荘園遺跡の拡張登録を目指して取り組んできた経緯があるが、これについての受け止めについて伺う。
【市長】
検討委員会の先生方には、お疲れ様でしたということを申し上げたいと思う。
検討委員会としての結論。一定の作業としては、一つのピリオドだと思うが、個々の先生方の意見には、踏み込まないで話をする。
なぜかと言うと、極めて学術的専門的な観点からの先生方の話であるので、私はそうした学術的専門的な観点の立場にはいないため、そういったことは分からない。
もう一つは、骨寺村荘園遺跡という特定の資産を持つ自治体の首長、言ってみれば当事者であるので、その中身に関しては、コメントを控えようと思っていた。
世界遺産をめぐる国と県と市、町があるが、その中の一員という立場として、結論を申し上げると、これまでの経緯、経過といったものを踏まえれば、この度の検討委員会での結論には、かなり大きな違和感がある。どのように理解をすればいいのか分からない。信じ難いというような状況だと思っている。
なぜ、信じ難い状況だと思っているのかについて、骨寺という資産、或いはその地域、は、世界遺産の対象資産になっていく過程の中で、平泉が世界遺産として成しえていくためには、骨寺村荘園遺跡という資産がないと難しくなると行政側からのアプローチがあって今に至っているという事実がある。細かく言いうと、文化庁から骨寺村荘園遺跡を含めなければ、平泉の世界遺産登録自体が難しくなると説明があり、それに対し県や市もそうだと行政側が同調した。地元に対してそういったことを申し上げ、地元としては大変な決断をした。
地元としては、決断をしたことでいろいろ我慢をしてきた。何を我慢してきたかと言えば、一つは生活の利便性。また、実際あの場所は生活の場であり、農業生産の場になる。
従って、農業生産としての効率性や生産性を犠牲にしてきた。
地元の方は生活の利便性や農業生産の生産性・効率性を犠牲にするということだけではなく、さらに世界遺産登録に向けていろいろなことをやってきた。一つには、米納めという行事の定例化。田植えや稲刈りの作業を市民活動のレベルでの実施。或いは土水路のまま残して作業をしていることを市民運動としてテレビで取り上げてもらうなど、努力されてきた経緯がある。
そうした地元の皆さん方の努力と我慢を踏まえて、地元の方が今年の春に決議書という形で結論が出されたと思っている。
この検討委員会の設置者というのは県。つまり行政となる。県が設置するにあたって、構成市町と協議を行い、設置をした。その委員会から当初は、骨寺村荘園遺跡が含まれなければ世界遺産登録が難しいと言われたことを考えれば、今の状況は理解しがたい。
簡単に言えば、行政からのアプローチにより世界遺産登録への取り組みが始まったが、その同じ行政が設置した検討委員会が出した結論は、理解し難い、信じ難いという表現が一番だと思う。
 
【記者】
検討委員会が出した結論は、実際に結論のとおりとするのかを9月か10月に構成市町の会議で決定すると思うが、それまでの間に市として何か対応するのか。また、議論の中身について、県から何かしらの説明を求める機会を作るという考えがあるのか。
【市長】
スケジュールとしては、検討委員会での結論が出ているので、今度は行政の側に移ってくると思う。行政が作った検討委員会ではあるが、今度は行政として、構成市町の判断になってくる。
市として何か対応することがあるのかという質問ですが、今年度は計画の最終年度であり、さらに地元から決議が出されたこともあるので、先般、市から県に対して緊急要望という位置付けで話をしている。市が起こすアクションとすれば、緊急要望にすべてのものを盛り込んだつもりでいるので、それ以上のことは今の段階ではない。
それから、県に説明を求めるかという質問についても、同じように、すでに市として申し上げているので、何か具体的なプランはない。
 
 
 
                                                                              以上
閉会時刻 11時13分