令和6年6月3日一関市長定例記者会見概要
開始時刻 午前11時00分
○市長発表事項
なし
○その他
【記者】
【記者】
元市職員が逮捕され、5件のうち4件が落札率99パーセント以上かそれに近いという情報が出ている。こうした落札率が続いていることについて、正常だと思っているのか。【市長】
即答は難しいと思う。理由は何点かある。一つには、今の予定価格と最低制限価格それをはじき出すシステム上の話がある。
工事入札に関しては、各事業者は高い精度で予定価格と最低制限価格額を計算できるところまできている。
それは、ルールに基づいて行っているためであり、単価が記載された冊子もある。積算方法が決まっている。
落札率が高いと感じているかについては、他市と比較しないと、軽々に話すことはできない。ただ、他市の落札率は承知してない。
【記者】
以前の会見では、工事が正常に行われていて問題はないという見解だったが、この数字は常態化していたのか。
【市長】
私が市長になる前は副市長で、その前は総務部長であった。総務部は入札を取り仕切っていた部署なので当時の記憶で話せば、工事の種別や内容によって、落札率の高いものもあれば低いものもあった。
【記者】
一般的に落札率が99%だと、汚職などの事件が疑われる傾向があるが、市の入札でこういったことが続いてたことについて所感を聞きたい。
【市長】
正確な評価をするためには、全ての落札データを見ないといけない。それから、他市との比較もしないといけない。それがない状態で、捜査中の今回の事案と今回の事案と関係のない工事を混同した形でコメントすることは差し控えたい。
【記者】
今回の事件がないと、この高い落札率について発覚しなかったと思うが、他の落札結果も調べる考えはあるのか。
【市長】
高い落札率となった事案は何点か承知している。かなり必然的な部分もあるのが事実。
それは、専門性の高い入札だけなく、土木工事、管工事、建築工事、機械工事、電気工事など工種問わず、そうなっているかと言えば、決してそうではない。
多数の例があり、同様の工事がたくさんあるものは、必然的に札を入れるための準備ができるため、業者は経験値が高まっていき、落札率が高くなってくると思う。
ただし、全データを比較していない状況では、話すことはできない。
それから、全データを点検するのかという話があったが、入札事務については、今は担当課が設計を行い、審査会で審議し、内部規則に基づいた予定価格の執行者がやっていくことになっているが、いろいろな取り組みがあると思うので、他の自治体を調べるのを初めに行うことはありだと思っている。
それから、市がこれまで発注した多くの工事発注の落札率を比較検討してみることは、一連の作業の中で出てくるかもしれない。
【記者】
市独自として、これから調査を行うのか。
【市長】
特定の項目を定めているわけではないが、具体的なスケジュール感を持ち、やっていく。
【記者】
職員に対し、業者からアプローチがあったのか、あるいは接待を受けたことがあるのかというような聞き取り調査やアンケートを行う考えはあるのか。
【市長】
行う予定ではあるが、警察も実施しているので、詳細は申し上げられない。
【記者】
警察の捜査が続いていると思うが、並行して市も行うのか。
【市長】
警察が先で市が後になる。警察がどういった職員に聞き取りをするのか私どもは知らないが、警察に対し全面的に協力をする。
【記者】
市が聞き取りする時期について、目処はあるのか。
【市長】
警察の捜査期間が分からないので、スケジュールをカレンダーに落とし込むことはできない。
【記者】
全職員が対象になるなのか。
【市長】
分からない。入札と一口に言っても非常に多くの種類がある。工事、業務委託、物品の購入などがあり、さらに工事にも種別がある。対象は定めたわけではない。
おそらく、実施していくうちに変わっていくと思う。
【記者】
地元企業と市役所が業務を通じて長年付き合いがあったと思うが、そういった中で今回の癒着が生まれたと思う。改めて市長の考えを聞きたい。
【市長】
私どもは税金を使って仕事をしている。大きな金額を執行する工事発注において、不正が事実であるとすれば大変残念であるし、市民の皆様に対して申し訳ないと思っている。
警察の捜査が優先するものなので、それが終わってからの対応となるが、詳細が分かり次第それに即した対策を講じていきたい。
【記者】
5月31日に副市長が議会の全員協議会で概要について説明したが、在職中の入札業務で逮捕となっている。業者との付き合いについて、今後の対策としていろいろ考えていかれると思うが、業者との関係が生じそうな職員に向けてコンプライアンスの部分について改めて指示をしたのか。
【市長】
毎週月曜日に定例の庁議を行っている。市長、副市長、教育長以下各部長・支所長・行政委員会の事務局長へそういう話をした。
【記者】
工事会社の元社員も逮捕されている。入札に参加する業者等に向けて、市から何か通知や発信することはあるのか。
【市長】
それはまだない。今回の事案がどちら側から働きかけたのか、報道で承知はしているが、仮に特定の業者からアプローチがあったとしても、それを毅然とした態度で対応していけばいい話。まずは内部の職員に通知する準備をしている。
【記者】
今の庁議での話や職員向けの通知の内容を具体的に聞きたい。
【市長】
既に発出しているものがあるので、改めてこうなっているという文面になると思う。
【記者】
業者との付き合いに関して、先週の市長の報道対応では、これまでのルールの仕組みを変えるよりも、そのルールをしっかりやっていく方が大事だと話があった。
もっと具体的に教えて欲しい。
【市長】
飲食を伴うものは、費用負担、金額の設定、報告の義務など、いろいろあった気がする。
全国的にそうしたことが続いていた時代があり、それを受けて市でも明文規定にして発出していた記憶がある。
【記者】
仕組みの話について、改善点がないか勉強するという話があった。
また、コンプライアンスの部分は、警察の捜査が終わってから準備を始めたら、相当時間かかってしまうと思う。今の時点でこういう範囲でこういう聞き取りをすると準備をしていると思うが。
【市長】
今回逮捕された職員以外にも、工事発注に絡んでいる職員がいるので、その職員に対する聞き取りは、警察が先行して実施し、その後に私どもが実施することになる。
まずやることは、工事発注にかかる入札に至るまでのプロセスについて、他の自治体で違うことをやっていないか確認しようと思っている。
それから、内部の職員向けに注意喚起通知の発出。そういった順番で行う。
警察の捜査が全部終わってからというのは、職員への聞き取りに関するもの。
【記者】
聞き取りは、入札に関係する職員など、ある程度絞りこんで調査を行うのか。
【市長】
まずは水道工事関係からになる。その後は、道路、建設、一般の工事発注となっていく。
【記者】
今年度のその部署にいる職員だけでなく、過去に担当した職員にも遡ってやるのか。
【市長】
あると思う。今回の案件が令和元年度から3年度分なので、そこまでは対象になると思う。
【記者】
その時期に水道工事を初め、いろいろな部署にいた方を対象に聞き取りを行うということか。
【市長】
そのとおり。すでにリストアップしている。
【記者】
一昨日、開催されたTGC teenについて伺う。主催者発表では、屋内、屋外合わせて昨年より1600人ほど来場者が多かったということだが、2年目の開催についての所感を伺う。
また、W TOKYOの村上社長が来られていたが、来年の開催について話はあったのか。
それから、先月の23日に県立高校の教育のあり方懇談会が開催されたが、これまでの9ブロックを6地区に再編し、今後の県立高校のあり方を考えていくと県の教育委員会から方針が示された。
これについて、この再編については理解するという立場だと理解してよいか。
【市長】
県立高校の関係について、先日の懇談会は、現計画ではなく、令和8年度以降の次期計画について懇談するものだった。
9ブロックから6地区に再編して、県立高校の運営をしてという話。私は子供の数が減っていく中で致し方ないという言い方をした。また、宮城県からの入学枠について話をした。
細かく見ると、普通高校と専門高校の部分に分かれているし、再編は、普通高校ではなく、専門学校について書いてあったと記憶している。専門高校の部分に関して9ブロック
を6地区にして学校運営していくというものだった。
普通高校の分に関しては、言及してない。小規模校を含めて人数、クラス数の数字があったと思う。それについて、致し方ないという発言をした。
【記者】
一関市は宮城県と接しており、宮城県の栗原市、登米市などから一関市内の高校に通学してくるという生徒もいるので、そうした部分に対する入学枠の設定について話していたが、岩手と宮城両県でやり取りしてほしいということか。
【市長】
そのとおり。日常生活圏が一関市と気仙沼市、登米市、栗原市は同じ。高校の通学先を分けるのは違うと申し上げた。
よって、両県の教育委員会で検討してほしいと要望した。
TGC teenの正確な来場者数などについては、後で担当から説明させる。前回を上回る来場者数だと認識をしている。結果として、前回よりも地元の若い方たちが、主体的、能動的にいろいろな場面に絡んだところが多く設けられたので、そうした点では良かったと思う。
屋内のイベントでは、キッズモデルがそのとおり。また、ケータリングについては、メニューを考え、実際に作り、提供することに市内の高校生の方が関われた。良い経験だったと思う。
それから、モデルさんヘのヘアメイクやフィッティング、来場者へのインタビューに参加する学校も増えた。
屋外のフェスに関しては、推進委員会を設置し、その中にプロジェクトチームを作った。企画運営、スタッフとして従事していただいた。
W TOKYOの村上社長と話をした。3回目の開催について話をいただいた。私からは、二つクリアしないといけないことがあり、一つはお金、もう一つは、市民の理解だという話をした。
その二つの条件がクリアできないと開催できないという話をした。
【記者】
村上社長は期待しているということか。
【市長】
そのとおり。村上社長からは年間のスケジュールも聞いた。7月に四国で開催した後は、代々木で9月に開催する準備に入ると言っていた。それが終わり、国内で二カ所開催したら、埼玉で3月に開催となる。よって年間に開催できる回数は限られていて、その一つが一関市になる。
【記者】
来年も開催するとなれば、この時期となるのか。
【市長】
この時期を選んだのは、屋内イベントだけだと人数は限られるし、屋外イベントとセットでやることで、お父さん・お母さん世代、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんも来てもらいたいと思っていた。
また、屋外となれば、寒くなく雨も降らない時期がいい。そうなると、春になる。春でも小中学校の運動会が終わっていて、中総体や田植えの時期も外さないといけない。
いろいろな話をして選択した。
【市長公室長】
総体感人数から説明する。延べ56万4200人。昨年は、56万600人なので、プラス3600人となった。
この内訳は、TGC teen Ichinoseki屋内来場者は、延べ4200人。昨年は3600人。
次に、TGC teenの視聴者数について、これはYouTube、旧ツイッターのX、Tik Tok 視聴者になるが、延べ54万8000人。昨年は54万6000人。
屋外イベントは、来場者数が延べ1万2000人。昨年は1万1000人。
【市長】
屋内が3600人から4200人に増えたのは、ステージとランウェイのセットをできるだけ
壁に近づけた。見切り席をなくして、多く入場できるように仕掛けをした。去年は結構前にあった。見切りが出たので売っていない場所があった。
視聴者数は公式のアカウントの分になる。ほかに演者の方が150人ぐらいおり、それぞれの方が10万人、20万人のフォロワーを持っている。彼女たちが発信したものは入っていない。
【記者】
元職員の逮捕に関して、今回以外にも同様の事案があったのではないかと疑う人はいると思う。市として、過去の工事発注についてチェックし直す予定はあるのか。
【市長】
現在の発注までのシステムは、牽制し合うような格好になっているので、一定程度必要な条件を満たしているとは思っている。
ただし、もっと良い方法を他で行っているのか、改善点があるのか探っていきたいと思っている。
まずは水道関係の業務を現在担当している職員、過去に担当していた職員に対する聞き取りを、警察による聞き取りが終わった後に市も行う。
それをどこまで広げるかは、今のところスケジュール感を持っていない。
また、コンプライアンスの分野で既に発出していたものを、再通知も含めてやっていこうと思う。
【記者】
今回の事案について、市職員全体に周知したのか。
【市長】
共有している。報道があった段階で、それぞれの部署の責任者がこういったことがあったので、気をつけてやっていこうという話は職場でしていると思う。先週には、議員全員協議会において資料提供し説明している。今朝の庁議でもあらためて話した。
【記者】
制限付き一般競争入札は、地元の企業に絞ったもので間違いないか。
【市長】
工事の内容によって対象業者は違ってくる。
【記者】
会社ごとに入札結果を公表する予定はあるのか。
【市長】
その考えはない。
【記者】
市ホームページ上で見られないものもあると思う。全ての入札結果について調査して公表する考えはあるのか。
【市長】
令和元年度からの水道工事について調べるというのは当然あると思う。
しかし、さらに建築や機械、電気工事まで広げて結果するのは、入札のほかに見積り合わせによる発注もあるので、そういったものを全て調査する考えはない。本来の業務を止めて対応しないといけない。
【記者】
今回の事案で業者に対し指名停止を検討しているのか。
【市長】
それはなると思う。市の要綱では指名停止となっている。
ただし、指名停止期間をどうするのかを協議している。
遠くない時期に発出することになると思う。
以上
閉会時刻 午前11時50分