令和6年11月5日一関市長定例記者会見概要
開始時刻 午前11時00分
○市長発表事項
なし
○その他
【記者】
毎年、移動市長室で市内8地域を回って組織の代表者と懇談する機会を設けているが、今年度は外国人の方の暮らしや生活、移住してきた方の生活をテーマに懇談された。今年度の総括を聞きたい。
それから、農地の問題について、10月21日の特別委員会で、国・県の交付金を早期に返還しないといけないということは、ある程度議員の考え方が一致している状況だと思う。一方、交付金の返還をした分を集落協定の代表者に請求することについて、全額を求めるのか、あるいは市農業委員会、農地の所有者、関係する業者に責任割合に応じて負担を求めるのか、その点で意見が分かれている。
委員会での意見の食い違いについて、どのように捉えているか。
【市長】
農地の件について、以前は、集落協定代表者への説明会開催のほか、農林部や農業委員会による聞き取り調査を行っていた。この間、議員には制度説明や状況説明を調査特別委員会で行っていた。ただし、議員の皆さんの理解が一様ではないというのは、その通りだと思う。一言で言えば、なかなか理解していただけていないという思いがある。
何の理解かと言えば、この問題の本質や経過、経緯という事柄ではなく、制度自体の理解だと思っている。こういった一連の事柄が起きた背景や原因、それぞれの関係者の関与、市や農業委員会の的確な判断ができなかったことが混在しているから、そうした話が出てくると思う。
我々はこの問題の解明や原因、責任などが、どのような図式となっていて、これから先どういったことを教訓として反省し、農業委員会のシステムや市の交付金事務のあり方をどのようにしていくか、というのはまだ途中の段階。
責任割合に応じた負担については、総括的な言い方、総論的な言い方として、市、農業委員会にも責任があると言った。その責任の割合に応じて交付金の支払いも応分の負担をするという話が出ていることについて、制度の理解、整理に至っていないというのが、受けとめ。
それから、移動市長室の総括について、今年度の移動市長室は市外から転入してきた方が、地域の中でどういった思いを持って生活しているのか、直接話を伺うところが重要だと思っていた。
外国人に関しては、去年も話を聞いているが、今回は市外から来て暮らし始めた人をテーマにした。
また、できるだけ意識して私が話を伺う相手方の人数を少なくした。大勢の人と話をするとどうしても話が散漫になって、なかなか整理しづらくなる。できるだけ1人または2人と深掘りした方がいいと思った。
気づきが二つあった。一つは、人口減少で若者が流出しているなどと言われているが、丁寧に見ていくと、それぞれの地域、分野で活躍、頑張っている若い方たちが結構いる。そうした方たちから直接話を伺うことができたのは、成果だと思っている。
全く農業に縁もゆかりもなく、結婚を機に一関市に来て専業農家で頑張っている人がいる。また、農業以外の分野でも、市内でいろいろなことを始めて、今は地域のリーダーになっている人もいる。
そうした方たちから得られるものをきちんと培養し、それを他の人にアウトプットしていくのが、我々役所としてやることだと感じている。
【記者】
改めて移動市長室について伺いたい。今は総合計画基本構想を策定していて、来年度は基本計画を策定することになる。移動市長室の中で、来年度以降の事業や施策の中で、例えば、移住してきた人が困っていること、こうした方がいいという意見が会場で出たと思うが、そういった部分を行政としてできるものを検討するのか。
【市長】
移住してきた方が、困っていること、こうした方がいいと思う意見はあるが、一関に長く暮らしてきた方とほぼ同じ内容。
むしろ一関で暮らしていくためにこうしたらいいというものは、我々がある程度認知していることとあまり違いはない。
一関にどういったものがあると、縁もゆかりも無い人が来るのかなと考えたときに、日本中の自治体は移住してもらうために、いろいろなインセンティブをもって頑張っている。一関市もほとんどの事柄を10年、15年間やってはきてはいる。
そうなると、そうではない世界だと思う。皆さん方の話を聞いてみたら分かる。地域性など目に見えない世界。事務事業ベースで支援金や補助金制度を作りましたという世界とは違うので、そこはなかなか難しい。
地域おこし協力隊などの方たちを去年、今年と増やしているが、彼らがなぜ、一関市を選んだのか、彼らが興味を持ってやってる分野、事柄をいろいろ知っていくのが必要だと思う。
【記者】
農地の問題について、交付金返還時期の目処としては、今年度末までだと思うが、交付金返還のための補正予算を議会に提出できる時期は限られてくる。
なかなか理解していただけていないという受け止めとのことだが、国、県への交付金返還については、理解がある程度進んでいる一方、その後の請求については、全額集落協定、あるいは責任割合を決めて、それぞれに請求するという話が出ている。全額請求するしか方法がないということについて議会の理解が得られるまでは、交付金返還のための補正予算は提出できないという捉え方なのか。あるいは多数決である程度賛成が得られそうだという感触が得られれば、議会を招集するのか、また、それ以外の別な方法を考えているのか。
【市長】
1億6000万円を返していただく。そのうちの国、県1億2000万円を支出するという議案は、一度議会に送付している。その時点で、いろいろな意見が議会の中にあったことは承知している。
それを撤回した理由は、当事者の一つである中山間の団体の方々から請願が議会に提出され、それは徹底究明ということだった。議会では、徹底究明という願意を受け、その請願を採択した。請願を採択し、議会としてその請願に対する対応に時間かかるので上程をした議案については、取り扱いを見直してほしいという話があったので撤回しており、その状態が続いている。
つまり、議員の方々が全員、ある一定の理解に達したと見極めた上で議案を提出した訳ではない。
我々は、中山間地域等直接支払交付金はこういったものだと、議会や特別委員会の場で何回も説明していて、一般質問でも答弁している。また、返還しないといけないことを集落協定の方にも説明した。一通り説明責任を果たしたと思い、議案を送った。
ただし、市や議会ではないところから請願が出され、議会が請願を採択したが、調査には時間がかかるので、待って欲しいという話があったので撤回した。
我々としては、議会である程度理解が進んでいることが分かれば、再提出する。
以上
閉会時刻 午前11時54分