開始時刻 午前11時00分

 

○市長発表事項

■生成AIの業務への活用について

【市長】

生成AIの業務への活用について発表する。

内容としては、大きく二つある。

一つは、生成AIの業務活用。もう一つは、全国の自治体で初の会話型AIチャットボットサービスになる。

一関市では、業務の効率化と市民サービスの向上を図るため、生成AIを業務に活用していくこととし、その第一弾の取組として、全国の自治体では初となる生成AI

(ChatGPT4.0)を使った会話型AIチャットボットサービスを令和6年3月15日から開始する。

全国の自治体で何が初になるのかについては、会話型であり、それを生成AIが行うということになる。

生成AIの業務活用について、令和5年度に生成AIに関するプロジェクトチームを立ち上げ、業務等への活用を検討してきた。生成AIの活用は、様々な業務に活用できるものと判断し、利用するにあたってのルール、一関市生成AIに関する利用ガイドラインを策定した上で業務に活用していくこととした。

業務に活用することを想定している生成AIは、地方公共団体間で使用する閉域的なネットワークであるLGWANとインターネット環境上で利用する生成AIの2種類となる。

情報セキュリティの保護について、インターネット環境上に存在する生成AIを利用することは、市民サービスの向上や庁内業務の効率化が期待される一方、情報漏洩などの懸念が指摘をされる。

そのため、情報セキュリティの保護の対策については、業務に関係ないサイトへのアクセスを制限する。

また、インターネット上にデータを保存共有する環境を設けないなどの物理的な制限を加える。

それから、私的なアカウントでのログインを禁止する。そして、一関市情報公開条例に定める不開示情報の入力禁止などの対策をとっていく。

全国の自治体で初となる会話型のAIチャットボットサービスの概要について、24時間365日いつでも市民などからの問い合わせに対応できるため、生活様式の変化や働き方の多様化が進む中において、市民は市役所の開庁時間以外においても必要な情報を得ることができる。

また、外国人観光客や在住外国人の方々などからの日本語以外の言語での問い合わせに対しても対応が可能となる。

システムの特徴について、普及しているチャットボット(自動会話プログラム)は、職員などが想定される質問と、その回答を事前に登録し会話形式で見ていくといったプログラムですが、一関市が今回導入する生成AIチャットボットは、質問者から寄せられた質問内容を生成AIが分析し、与えられた情報(市のホームページ)の中から適切な回答を提供するプログラムとなっている。

また、人間と同じように、言葉の意味や文脈を理解して回答する機能を持っていて、自然な会話形式でやり取りをすることが可能となっている。文字での会話となる。

なお、一連の会話が終了すると、利用者が入力した内容や会話の内容は、生成AIが記憶しない設定となっている。

運用開始日は、今週の金曜日3月15日。

搭載場所は市のホームページ上になる。

導入業者は、合同会社EasyDialog(イージーダイアログ)で所在地は神奈川県横浜市。

費用については、システム導入費は1,255万円で、その財源は令和5年度のデジタル田園都市国家構想交付金のデジタル実装タイプを活用している。

会話型AIチャットボットに搭載される生成AIは、一関市生成AIに関する利用ガイドラインで定める機能要件を満たしたものになる。

また、令和6年度はチャットGPTの庁内利用や、会話型AIチャットボットの機能を応用した音声サービスの実現に向けて取り組む予定にしている。

 

【記者】

文字情報を入力し、AIが理解して回答を出すということだが、市民から様々な問い合わせがあると想定される。市が行っている業務に関することであれば何でも回答するのか。

また、文字で入力するときに、漢字やひらがな、間違った漢字を入力した場合、生成AIはどういった反応を示すのか知りたい。

【髙橋CIO補佐官】

先ほどの市長からの報告にもありましたように、市のホームページに載っている情報であれば、全て答えられるということになる。

基本的には、市のサービスはホームページに載せているので、あらゆる質問に応えることが可能と考えている。

また、漢字と仮名の違い、読み方の違いを理解できるかという質問だが、かなり高度な判断ができると考えている。完璧かと言われれば、これから開発の余地はあるとは思うが、漢字の入力間違いとかであっても、文脈からこういうことを聞いているんだろうと分かった上で回答を出すAIになっている。

 

【記者】

議会の情報も対象になっているのか。

【次長兼政策企画課長】

例えば、議事録であってもホームページ上で公開しているものであれば、それもデータとして回答する仕組みになっている。

【市長】

ChatGPT4.0というバージョンについて、高橋CIOに追加説明をしてもらいます。

【高橋CIO補佐官】

我々一般市民が利用できるのはChatGPT3.5というバージョンになる。3.5だと前後の文脈から読み取って回答を返すのは難しいと思う。4.0は3.5をかなりバージョンアップしたもの。

そういったことから、今回4.0を使ったというところにメリットはあると思っている。例えば、予防接種と入力する際に予防の字を違った字になったとしても、前後の文脈か

ら、これは注射のことと理解できるAIになっている。

 

【記者】

今回、全国初の導入ということだが、導入に至った経緯や理由を伺いたい。

【市長】

総論として、いろいろな意味合いで、DXに関して一生懸命アクセルを踏んでいる。

対市民、対企業、自らの業務とそれぞれ違うが、少しでも効率化し、利便性の良いものにしていく。そして、いろいろな余剰を生み出してその余剰を次のサービスに向けていくことを考えている。

一年前に、生成AIが出たときは、自治体の業務に使ってもいいのではないかという全国的な議論があったが、きちんとルールを決めて安全に運用できるものであれば導入すべきだと判断し、今回に至った。

【高橋CIO補佐官】

そもそも一関市としては、チャットボットを導入しようという計画があった。既に先行している自治体は多数あると思うが、職員が想定される質問に対して、あらかじめ答えを用意しておき、その質問が来たら答えを返す方式を多くの自治体で取り入れている。

一関市でも同様のものを導入しようと思ったが、ChatGPTが出始めた頃から生成AIに注目するようになり、担当職員からは、せっかくチャットボットを導入するのであれば、生成AIを使ったらどうかと、私に相談が来た。

職員が答えを用意する必要はなく、すでにあるデータベースから答えを作ってしまう素晴らしい生成AIが見つけられるなら、やってみようということになり、今回の仕様に至った。

そういった意味では、仕様書も他に全くないもので他の自治体が参考にしてくれるような取組の仕様書ができたと思っている。

さらに素晴らしかったのは、システムの開発に複数の業者が手を挙げていただいたこと。複数の業者が提案した資料は、生成AIを活用するが会話型には至らない、俗に言うありきたりなものであった。どちらかというと一問一答式のチャットボットだった。

今回の提供元になった企業の提案書は、ChatGPT4.0を使った会話型だった。

他の自治体であれば、あまり自治体への導入実績のない事業者を選ぶことは少ないと思うが、選考委員会では、どこでもやったことのない生成AIを使ってみようということになり、導入に至ったということ。

 

【記者】

導入に込める期待と市民への利用の呼びかけを聞きたい。

【市長】

市のホームページの中の情報ではあるが、活用の可能性は無限にあると思っている。

人口減少への対処として、しごと、ひと、まちという前提があるが、余剰を生み出すということは、まさに人口が減っていく中で、行政としてどれだけのことができるかにぴったり合うと思う。

外国語のサービスもあると説明したが、いろいろな場面でニーズに応えていかないといけないが、我々としての武器になっていくと思っている。

新年度には、音声でのサービスを考えている。これは、全国の水準を突き抜けていると思っている。

ここで、高橋CIO補佐官が東京で開催した会議で一関市のことを説明したことを紹介していただきたい。また、一関市が独自に仕様書を作り、他の自治体が一斉に反応したことも紹介していただきたい。

 

【高橋CIO補佐官】

2月22日だと思うが、私が主催してデジタル行政パートナーズという自治体と事業者が集まって情報交換をする場を設けた。

そこで生成AIをテーマにしたので、一関市から担当者の方に来ていただき、発表させていただいた。

これまでの生成AIを使ったチャットボットではなく、会話型で職員に負担をかけずに回答を作るという、これまでにない発想の仕様書を作り、実現する製品を選定した。

大手企業の提案ではなく、小さな会社の提案を選んだというプロセスが非常に注目された。多くの質問もいただいた。

既にいくつかの自治体からこの仕様書を使わせて欲しいという依頼が来ていると聞いている。

今後、こういった取組は全国的に広まっていくと思っている。

 

【記者】

全国で初という部分について詳しく聞きたい。

また、デジタル田園都市国家構想交付金を活用しているが、補助率を聞きたい。それから、ランニングコストも教えて欲しい。

職員の業務負担軽減については、どの程度見込んでいるのか。

【高橋CIO補佐官】

私は総務省の地域情報化アドバイザーをやっている関係で、いろいろな自治体のチャットボットは見せていただいている。

私が拝見する中では、チャットボッドに生成AIを使うというのも全くゼロではない。

生成AIが答えを見つけてくるというチャットボットはありますが、一関市が導入するのは会話型で我々が皆さんと会話するように質問に対して答える。その答えに満足しなければさらに再質問する。こういったことが可能なものは、私が知っている限り全国で初と言って間違いないと思っています。

さらにデータベースを職員が用意しなくていいということは、非常に大きなメリットだと思っている。ホームページは基本的に職員が作らざるを得ない。何か新しいサービスをやるときに必ずホームページを公開する。それをやることで、長くても1週間、早ければ次の日に生成AIが反映する。

そういった意味では、今回の全国初とは、この2点について言えると思っている。

職員の負担に関しては、他の自治体では、ホームページを公開しても、FAQ用のデータベースにも登録するという二度手間がある。

ホームページの公開だけで済んでる点では、職員の負担軽減になる。

 

【次長兼政策企画課長】

交付金の補助率について、デジタル田園都市国家構想交付金は事業費の2分の1補助となっている。残りの2分の1が市の負担ということになる。

ランニングコストは、ChatGPTの使用料やチャットボットを運用するための経費全部で月15万円。

ただし、ChatGPTのアクセスが増えた場合、従量課金制となっているが、基本額は15万円。

 

【記者】

回答の正確度はどの程度と捉えているのか。

【高橋CIO補佐官】

これまでの成功している自治体のチャットボットは、ある程度正確な質問でないと、答えが出てこないものとなっている。

それに対して、今回の会話型は、曖昧な質問であっても、まずは一定の回答を出す。その回答に対して質問をすることができる。

例えば、予防接種を受けたいという質問を出す。予防接種の種類は多いので、いろいろな予防接種があるという回答を出す。

新型コロナウイルスと再質問すると、その新型コロナという言葉だけで、それまでの会話から予防接種のことだと判断し、新型コロナワクチンの情報で回答してくれる。

全く理解できない質問をされたときは回答できるよう精度を上げる必要があると思う。

 

【記者】

基本的に完全に誤った回答はしないと言うことで良いか。

【高橋CIO補佐官】

運用していく中では、ログの分析を行う。これは絶対やらないといけない作業になる。

ログの分析として、この回答に満足しましたかと確認する機能を組み込みたいと思っている。

そうすることによって、満足度が上がっているのか確認する。そして、皆さんが満足するようなものに仕上げていく。

作って終わりではなく、これからがスタートだと思っている。

 

○その他

【記者】

盛り土の農地について聞きたい。先週、議会の調査特別委員会が開催され、原状回復する場合の費用の試算が出された。また、集落ごとの交付金返還額が試算されたものも出されている。

交付金の返還について、市長は一般質問の答弁で国県に対する負担分である4分の3は

早く対応しなければならないと話しているが、市の予算から国県に返す措置を本議会中あるいは臨時会を開催して対応する考えなのか。

今の段階では、まだ違反転用の疑いという部分が取れてない状況。返還することになれば、疑いではなく確定だから返すことになるので、疑いから確定に変わる時期とのずれが発生すると思う。返還の時期、措置についてどう考えているのか。

【市長】

結論から言えば、今2月通常会議中に中山間地域等直接支払交付金の国費、県費分の返還の措置を行うには補正予算が必要だが、それを2月通常会議の中でやる予定は今のところない。

ただ、先般の一般質問の中で、関係する交付金は4つほどの種類があり、その中の中山間地域等直接支払交付金について、一番金額が大きい。それについては、早期に対応をしなくてはならない。全額返還だということを伝えられていると話した。

その他の3つの交付金については、交付の仕組みや対象者が違うので、返還の手法について、国県と調整が必要だと思っている。

それから、転用の疑いについて話があったが、転用のことで2つ大きな課題になっている。一つは農地法で、違反転用の疑いという状態だと思う。

農地の現状変更届を農家の方が出されたが、実際は耕作ができない状態になっているので、このまま放置すれば間違いなく疑いではなく、違反転用となる。

中山間地域等支払交付金に関しては、農振法に係る違反開発になる。中山間地域等直接支払交付金を受けたにも関わらず、耕作ができない状態になっているので交付金の返還が発生しているという整理になる

今通常会議の本会議はあと一日だが、調査特別委員会が一度視察をしていただき、私どもの方から返還の対象額と原状復旧について、二つの手法を示し、それぞれの費用について試算を示しただけの状況。

また、農地所有者の方々や施工業者などへの聞き取りを行っているので、そうしたことを説明した上で、早期の返還が必要ということを議会の調査特別委員会で説明を行う。

国からは交付金の返還という答えが出ているので、それに対しイエス、ノーというレベルの段階ではない。

 

 

 

【記者】

国県への返還については、県を通じて農政局と話し合いを行っていると思うが、返還の期限は示されているのか。また、交付金が交付された協定集落からの返還を求める際の方法を市として想定しているのか。

【市長】

まず期限については、はっきりとした期限は言われていない。

ただし、今まで国県との協議の中では、中山間地域等直接支払交付金の第4期分は全額返還と言われている。返還期限について、示されるものなのか示されないのか分からない。

市が各協定の代表者に交付した第4期分と第5期分について返還を求めるのかについて、まだ結論は出ていない。

理由は、かなりの部分が解明できた状態でないと各協定集落に対し、第5期分であれば各農地所有者に返還を求めるのかの答えは出ないと思う。

聞き取りした内容について、調査特別委員会で説明をしようと考えているが、調査をしていく中で決めていくものだと思う。なかなか正解というのを見出すのは難しいと思う。

 

【記者】

来年度当初予算には、各種交付金が予算措置されている。全員協議会での説明だったと思うが、明らかに違反している農地については、交付金の対象から外したと農林部長から説明があったと思う。令和6年度の交付分には、違反転用の疑いがある部分は交付の対象からは外すことにしているのか。

【市長】

そのとおり。令和6年度当初予算はそうした編成をしている。

 

 
以上


閉会時刻 午前11時42分