令和7年8月4日一関市長定例記者会見概要
開始時刻 午前11時
○市長発表事項
・令和7年一関市高温・渇水対策本部の設置について
・一ノ関駅前の市有地売却に関する公募型プロポーザルの実施について
【市長】
発表事項の1つめは、令和7年一関市高温・渇水対策本部の設置についてである。高温及び渇水による市民生活や経済活動への影響に対し、速やかな対応を図るため、本部を設置した。
設置目的は、令和7年の高温及び少雨による熱中症、水不足、農作物への被害などに伴う市民生活や、経済活動への影響に対し、各部署が連携し、迅速かつ適切・的確な対策を講じることである。設置期間は7月31日から当分の間としている。以下、別紙資料の対策本部設置要領で申し上げる。
所掌事務は、「1 状況の把握に関すること」 「2 対策の検討に関すること」 「3 市民等への注意喚起及び情報提供の取りまとめに関すること」 「4 国県等の関係機関との連絡調整に関すること」 「5 その他高温・渇水対策に関すること」である。
組織は、市長、副市長、教育長、別表に掲げる職員で構成する組織とする。本部長は市長、副本部長は副市長と教育長をもって充てる。第1回会議の開催を本日午前10時10分から、つい先ほどまでこの場で開催していた。
第1回会議の内容の1つめは、この本部を設置したことについて、2つめは各分野における高温・渇水による影響と今後の対策についてそれぞれの部署から報告があった。具体的な内容は担当部長から説明をさせる。
【市長公室長】
上下水道部からは、水道水源の水量が減少しており、断水の恐れがあるため、給水エリアの切替えなどの対策を行っているとの報告があった。対策としては7月29日から市民への節水の呼びかけを開始しているほか、7月に2回にわたり脇田郷系から前堀系へ給水エリアの切替えを実施した。
脇田郷系は磐井川の表流水を取水しているが、この流入水量の増加を図る対策として、土のうを積み上げ水位を上げることについて、国土交通省と協議をしている旨の報告があった。
農林部からは、現在水稲、園芸、畜産において水不足になっており、今後、農作物、畜産物の生産量と品質の低下が懸念されるとの情報提供があった。水稲について、飼料用の水稲の収穫時期についての問い合わせがあった。酪農は搾乳量減少の情報提供があった。対策としては土地改良区の一部で番水と呼ばれる区域を区切って配水する用水供給を既に実施している。またJAを通じて水稲管理に関するお知らせを実施している。県は8月6日に一関地方暑熱渇水対策連絡会議を開催する予定としているという報告があった。
消防本部からは、熱中症による緊急搬送患者が増加し、7月31日時点で92人の搬送があり、令和6年度の同時期は57人だったため35人増加していること。35人のうち21人が15歳から65歳の成人年齢の方が増えているということから、仕事中の熱中症が多いという傾向が見られること。熱中症対策の呼びかけをしているという報告があった。
まちづくり推進部からは、冷風機を購入し屋内スポーツ施設12施設に7月23日から1台ずつ配置し無料で貸し出ししているとの報告があった。
市民環境部からは、涼みどころを市内90か所に設置をしたことから、周知に努めていること、教育委員会からは、学校においてプールの水温が高すぎるためプールの活動が行えないこと。学校の校庭や体育館での活動可否を判断することについて、校長会議で共有をしたこと。プールの開放については、高温で使用できない場合の連絡手段をPTAと共有済みであること。教育委員会から学校、学校から児童保護者への熱中症予防の呼びかけを引き続き行っているとの報告があった。
本部長である市長からこれらの報告について、優先は人命に関わること、経済については農作物などの減収などは時期的に遅れて顕在化する可能性があることから、この減収対応を考えておくことについて本部員に指示があった。
また、将来的には行事やイベントの開催時期、時間帯、内容について不断の見直しと、大胆な考え方の見直しを行っていくことについて指示があった。
【記者】
脇田郷浄水場は市内で一番大きな給水エリアとなるか。
【市長】
そのとおり。
【記者】
土のうを設置するとのことだが、川の中に設置するのか。
【市長公室長】
磐井川への土のうの積み上げとなるが、水利権の許可を得ている国土交通省と協議を始めたという状況である。ダムのように川の流れを全部仕切ってしまう形ではなく、半分程度を仕切るような形で土のうを積み上げ、取水しやすくする。今週は雨の予報が発表されているので降水量を見ながら判断することになる。
【記者】
取水口近くに土のうを積み上げて水位を上げて、たくさんの水を得られるという理解でよいか。
【市長】
そのとおり。
【記者】
経済面や生活にかなりの影響がありそうな報告があったが、改めてこの報告を受けての受け止めを聞きたい。
【市長】
一関市が合併して20年が経過するが、台風・水害による対策本部の設置はあったが、高温・少雨によってこのような対策本部を設置したのは今回が初めてとなる。
今回、大きくは2つの領域になる。1つは人命に関すること。ただそれは雨が降れば、早い時間帯で解決されるものと捉えている。なかなか予測がつかないのが経済面で、特に農作物の関係となる。一関市は、稲作、園芸、畜産などがあるが、この先の収量などにどのぐらい影響が出るかは、今の段階だけで判断するものではないので、そこのところは時間をかけて、見ていくことになる。
いずれ先ほど会議の冒頭の挨拶でも申し上げたが、緊張感を持って対処していく、注意深く情報を探りながら必要な対策を講じていくところだ。
【記者】
合併して20年で高温・少雨に関する対策本部の立ち上げは初めてとのことだが、どういったことが決め手になったのか。
【市長】
先ほど言った2つだ。熱中症での救急搬送される方が令和6年度同時期と比べると多い。このまま、さらにこのような状況が続けば、昨年度の最終数値を超えるかもしれない。そういった危機感がある。
もう1つは一関市の大きな経済に農林畜産物がある。一関市の農業産出額は、東北で2番目、全国でも19番目ぐらいに多い。金額では、鶏肉・豚肉といった畜産関係があり、その次は園芸作物、野菜などだが、夏秋野菜はこの夏・秋の今がまさに収穫時期となる。それがなかなか市場に出せない規格になる、あるいは収量が下がる。秋には米の話が出てくる。実際に市内農家さんから様々なお話を頂戴しているので、各部署が情報を共有しながら対策を講じるということで本部設置に至った。
【記者】
本日が1回目の会議だが、2回目の開催はいつ頃になるか。
【市長公室長】
今後の降水量を見ながらになるが、8月12日か、18日をめどに第2回を開催したい。
【記者】
このまま渇水が続くと断水となるか。
【市長公室長】
上下水道部からは、断水になる恐れがあるので準備をしなければならないが、一関市内では上水道だけではなく自家用井戸を利用している世帯もあるので状況を把握するという報告があった。断水になる前に、先ほど申し上げた磐井川への土のうの積み上げや給水系統の切替えなどの対応を行い、市民の心配をできるだけ緩和できるよう努めていきたい。
【記者】
このまま渇水が続いた場合、いつ頃に断水となるか。
【市長公室長】
現在の配水池の水位の状況から断水の時期についての報告はなかった。現時点でそこまで心配する必要はない。ただ、市民に対しては節水の呼びかけを行っているのでご協力をお願いしたい。
【記者】
一関市内で飲料水や農業用でダムはあるか。貯水率がわかれば教えてほしい。
【市長公室長】
一関市には藤沢地域に3つのダムがある。7月30日時点の貯水率になるが、相川ダムが60.6%。金越沢ダムが39.5%、千松ダムが27.9%となっており、すべて渇水状況にはない。いずれも農業用水であり、飲料ではない。
【記者】
熱中症で救急搬送が増えていることと、農作物への影響が今はないが、今後影響が出てくると大変になるから対策を考えておくということか。
【市長】
先週の段階で対策本部を設置した。その後少量の降雨があり、少量だが状況は改善した。今週はまとまった量が降るという予報なので、健康に関わる分野についてはなんとかしのげるという印象だ。農作物については今後の収量などに影響が及ぶので一関市としての対策が終わりということはないと思う。
【記者】
市内で取水をしている川の水位は現在どれくらいか。
【市長公室長】
今日の会議では個別の水系ごとの報告はなかったが、脇田郷系と前堀系の配水池の水位の状況の報告があった。普段より下がっているが、危機的状況ではない。
【記者】
水系ごとの世帯数はわかるか。
【市長公室長】
個別のデータまでは持ちあわせていないので、この後担当課を案内する。
【市長】
発表事項の2つめは、一ノ関駅前の市有地売却に関する公募型プロポーザルの実施についてである。
一ノ関駅前の賑わい創出と中心市街地の活性化を目的に、一ノ関駅西口に所在する市有地の売却候補者を選定する公募型プロポーザルを実施する。
プロポーザルの実施概要の売却対象とする土地は、一関市駅前1番、面積は292.69平方メートル、 地目は宅地、用途地域は商業地域。現在は一関商工会議所が所有する一関商工会館が建っている土地になる。
商工会議所は、一関市が企業版ふるさと納税によって東北銀行から取得した菜の花プラザの1階に移るので、現在の建物は商工会議所が解体し、更地になった一関市の土地を売却することとなる。この土地は、建物の解体後に市に引き渡しになる。売却価格は1,410万円とする。この金額での提案の優劣によって売却候補者を決める。提案については、一ノ関駅に隣接する土地であることを踏まえ、駅前の賑わい創出や中心市街地の活性化に寄与するような内容にしてもらいたいと考えている。
売却候補者の選定方法は、2段階で、1次選考において事業構想の提案を受け審査する。2次選考に進んだ方には、1次選考を通過した提案の具体的な事業計画を出してもらい、それを審査し、売却候補者を決定するという運びになる。
スケジュールは8月5日火曜日に募集要領の公表と配布を始める。8月25日から9月30日の間で応募者の登録を行う。その上で、10月15日から11月19日の間が1次選考の受付、12月中旬に1次選考を通過した事業者の決定を行う。1次選考通過した方々は、12月17日から令和8年2月25日の間に2次選考の受付を行い、3月下旬には売却の相手方の決定、4月下旬には契約の締結を行い、5月の上旬以降に土地の引き渡しというような流れとなる。
その他として、売却先に決定した事業者にあっては、提案事業について、土地の引き渡しから3年以内に提案内容に即した土地の利活用に着手していただくということを条件としている。
【記者】
3年以内に利活用に着手とは、着工が3年以内ということではなく事業開始が3年以内ということか。
【総務部長】
事業の着手が3年以内ということである。
【記者】
オープン自体は3年目以降でもよいということか。
【総務部長】
そのとおり。
○その他
なし
以上
終了時刻 午前11時40分