令和7年3月10日一関市長定例記者会見概要
開始時刻 午後1時30分
○市長発表事項
道の駅だいとうのオープンについて
【市長】
大東町渋民地内の国道343号沿いに整備を進めてきた道の駅大東がオープンします。
オープン日は、4月17日木曜日の正午となる。
施設の特徴について、まず基本コンセプトは、ひととひと、ひとともの、海と山をつなぎ、未来をひらく拠点施設と書いて「みちのえき」としている。
特徴の2つ目は、沿岸部と内陸部をつなぐ交流の拠点と位置づけている。
国道343号は、陸前高田市と奥州市を結ぶ路線であり、その中間に位置する道の駅だいとうは、沿岸部と内陸部を結ぶ交流の拠点施設となる。
3つ目は、地域の活性化。地元の特産品である原木しいたけをはじめ、農林産物や地域特産品の販売、観光・イベント情報の発信を行い、地域産業の活性化を推進する。
4つ目は、災害時の防災拠点。建物の耐震化や非常用自家発電設備、太陽光発電設備による無停電化、貯水槽、備蓄倉庫などを備え、災害時の防災拠点となる。
また、防災道の駅という記載はないが、道の駅の中に防災道の駅という登録もあるのでそうしたものを目指している。
5つ目は、地元産の木材を使用。施設の一部に一関市産材を活用している。
整備に至る経過は、平成28年2月に大東地域内の地域協働体6団体、地域特産物直売組合など8団体から大東町の渋民地区に整備をされる国道343号渋民バイパス沿いに、道の駅の整備を求める要望書の提出を受けた。
市においても、こうした地元の動きと連携・並行して、道の駅の整備の検討を進めてきた。場所をどこにするか、どういったコンセプトで整備するか、性格づけはどうするか、地元の方々と協議検討を進めてきた。
私からの説明は以上になる。他の事項については、支所長から説明させる。
【大東支所長】
施設概要について、所在地は大東町渋民字西風47番地1となる。
具体的には、国道343号と国道456号が分岐する交差点の南東になる。
整備手法については、道路管理者である岩手県との一体型の整備となる。
敷地面積は、9,932平方メートルで市の敷地が6,109平方メートル、県の敷地が3,823平方メートルとなる。
建物面積については、どちらも木造平屋建てになるが、市の施設である地域振興施設が860.81平方メートル。県の施設となる道路休憩施設が238.49平方メートルとなる。
整備の内容については、駐車場の台数は合計で72台。内訳は大型車が8台、小型車が62台、車いす用駐車場が2台となる。
地域振興施設については、物販販売、レストラン、軽食コーナー、情報提供交流スペース、集会室、キッズスペース、トイレが全部で10器となり、内訳として男性用が3器、女性用が7器となる。また、イベント広場、オープンテラスなどとなっている。
道路休憩施設については、トイレが16器で、内訳として男性用が7器、女性用が8器、多機能トイレが1器となる。また、キッズトイレも整備している。その他、情報発信休憩施設、ベビーコーナーがある。
事業年度については、令和2年度から6年度までで、総事業費は、約12億8000万円である。
次に施設の愛称については、室蓬譲水の里となる。名称と併せて公募を行い、選考委員会において、応募総数278件の中から選定した。
大東町の情景を表す言葉として、住民にも愛着を持って使われている言葉であり、地域の特徴を表現している、などの理由から選定した。
室蓬譲水という言葉は、室根山、蓬莱山など、この地にそびえる山々の間を清水が譲り合うように流れる様になぞらえて、謙譲の美徳を念ずる平和郷を賛美して、郷土の偉人である芦東山が命名したと伝えられている。
管理運営については、施設の管理運営手法として、指定管理者制度を導入する。指定管理者は、大東産地直売協同組合。この指定管理者については、先の12月市議会で議決をいただいている。
その他として、オープンに先立ち、4月17日に開所式を午前10時から10時50分まで予定している。
道の駅だいとうは、令和7年1月31日付け道の駅第62回登録で、県内37番目として登録された。市内の道の駅は、厳美、かわさき、むろね についで4番目となる。
道の駅の設置数は、花巻市および宮古市に並び県内最多となった。
【記者】
道の駅だいとうは、当初はもう少し早くオープンする予定だったが、いろいろなことが
あったことで遅れた。これについて市長の思いを伺いたい。また、整備費用が当初より膨らんだ理由を聞きたい。
【市長】
お話のとおり、当初は去年のうちにオープンする予定だった。いろいろなことが重なり遅れた。施設はすでに完成しているが、オープンの時期をいつにしようか検討していた。
販売する物品の品ぞろえを考えると、ゴールデンウィークの前頃がちょうどいいと判断した。思いについては、一関市では4つ目の道の駅であり、一関市の北東地域に整備されたことになる。一関市は東西に長くて東側の方が膨らんでいるので、その北側と南側に道の駅がそれぞれあるというのは極めて自然なことだと思った。
また、明日は3月11日。先ほど防災道の駅を目指すと説明したが、いわゆる従来の地域振興施設に加え、そうした側面も組み立てていくというのはありだと思っている。
大船渡市では、山林火災について鎮圧宣言がなされたが、これまで一関市からも後方支援を行っていた。国道343号沿いの大東支所や東山支所が中心になって動いたが、今後もあると思っている。
防災を除いて考えれば、現在は道の駅に行くことが一つの目的になっている。そうした期待に沿えるような施設になれば、一関市をアピールできると期待している。
【大東支所長】
事業費については、事業が5年という期間だったので、資材の高騰等があり当初よりは費用がかかった。また、昨年度は工事の一時中止があり、工期が延びたことで、掛かり増しになった部分がある。予定どおりだと捉えている。
【記者】
予定どおりというのは、何についてか。
【大東支所長】
費用について。
【記者】
私も道の駅が目的化していると感じている。新聞に道の駅と見だしを付けると、ページビューが伸びる。皆さんの関心が高い証拠だと思う。
市内にある道の駅「厳美」、「かわさき」、「むろね」には、それぞれ特徴があるが、だいとうは、しいたけになると思う。ただし、原発事故の影響で最近まで地元の「ほだ木」が使えずに外から買っていたため、コストが高くなり大変だという話があったと記憶している。今はどのような状況なのか。
【市長】
原発事故に伴う、原木しいたけについては、大東支所長から説明させる。私からは、明日が3月11日ということもあり、これからの展望のようなことを話す。
また、東日本大震災があってから、大東の原木シイタケ農家はほぼなくなった。コスト的なことも含めて、原木しいたけが成立しないということがある。通常は物を作って市場に行って売るということになるが、風評も含めて、そういった流れが遮断されてしまったことが1つあると思う。
東日本大震災で流通が大きなダメージを受けた。この道の駅だいとうがレジャーとしての目的だけではなく、生産現場を意識して整備することで、売り場が賑やかになり、生産現場も賑やかになると思う。
【大東支所長】
原木しいたけについては、まだ厳しい状況。菌床栽培の方法でシイタケ生産に取り組んでいる方がいる。道の駅のオープンに合わせて、任意団体でしいたけの加工品の作成に取り組んでいる。
【記者】
オープンに間に合いそうなのか。
【大東支所長】
試食会など開催している。
○その他
【記者】
ILCについて、被災3県の各新聞社の編集局長が石破総理大臣へインタビューする機会があった。そこで、ILCについて総理大臣がどう考えているのか聞いたが、総理は文部科学省の
有識者会議の中では、大規模プロジェクトなので、もう少し議論が必要だという指摘がなされていて、ILCは分野が広いので、我が国としてその分野に取り組むのか議論を進めなければならないという話をされていた。
文科省の科学者コミュニティの中の話ということに関して、市としてどのように捉えているのか。
【市長】
先日、私は県のヨーロッパ視察に同行させていただいていたが、二つあると思う。
1つは、研究のターゲットは何か。ヒッグスなのか、あるいはアメリカなどで言っているニュートリノなのか。
どの研究にするか国別で棲み分けするという議論もあるし、また同じヒッグスを研究するにしても、いろいろな実験や研究の仕方があり、施設も直線や円形があるので、日本国内のコミュニティでも、どういったプロジェクトに取り組むのが良いのか、インターナショナル又はグローバルなのかといった議論がある。
海外においても素粒子物理学会として、どういった方向性を目指していくのか、どういった実験施設によって成し得ていくのか、実際ヨーロッパに行って直接話を聞いてみて、なるほどと思った。
それがあった上で、どういう施設をどこに作るのかという話になってくる。それを今、ヨーロッパで協議している。
研究者の意見が割れているかのような報道がなされているが、極めて当たり前の話だと思う。学術の分野としては、どういったものをどういったような方法で研究していくのかといったことの違いなので、それがあるのは当たり前。
ILCを実現させていくに当たって支障になっているということとイコールではないと思う。
ただ、石破総理のインタビューについて話があったが、私も以前お会いしたことがあり、ILCの話になったときに、基礎科学であるから、なかなか国民の理解を得るのが難しいよねという話をされた。
研究者が何を目指して、どういう方法で実験をしていくかについて、いろいろな意見があるというのを理由にして、ILC実現が進まない、やらないというのは違うと思う。
学術分野としての意見は様々あるが、日本として実験施設を国内に実現させることで、経済発展や研究開発力向上を国家戦略的な観点から議論していくのが筋だと思っている。
一関市というよりは、ILC実現建設地域期成同盟会が、そういった観点から、ILC実現を働きかけていくのが、いいと思う。併せて経済界とも連動して進めていけばいいと思っている。
研究者の議論は、いずれは醸成されてくると思う。それは、海外で来年の今頃までに、考えをまとめていく1年間になってくるので、そうした議論の流れと、国内における研究者の議論というのは相互に関係してくると思う。
【記者】
考えをまとめる時期が迫っていて、正念場だと思う。
最後は政治決断ということで、国に対していろいろな働きかけをしてきたと思うが、科学コミュニティに対して何かもう少しあってもいいのではないかと思った。
【市長】
その通りだと思う。
学術会議における時期尚早というコメントがあったが、通常の科学技術予算の枠内で回していくことになれば何を研究するのかということになる。あくまでも国家戦略として国の技術開発力としてやっていくこと、それが今の国際的な経済状況の中で、アフターコロナを見据えていけば、日本はこれから先何で飯を食っていくのかと、そうした議論をしていくことだと思う。
それは、政治や経済のロジックの中で意思形成をしていけばいい訳であって、そうした動きが見えてくれば、研究者の皆さん方も日本で研究をやる意味は大いにあると思うようになると思う。
したがって、方法としてはILCはターゲットをヒッグスで方法は直線だよね。そうなれば、日本にあるべきということに落ち着いてくると思う。
日本でILCを推進していくことが日本の国益になるんだというメッセージを出すことが一つだと思う。それによって国内のコミュニティも1つになってくると思う。
以上
閉会時刻 午後1時59分