開始時刻 午前11時30分 

○市長発表事項

 なし

○その他

【記者】

市長選挙は無投票となった。あらためて抱負を聞かせてほしい。

【市長】

 まだ当選が確定したわけではないが、次の4年間の話をする。告示後の第一声でも話したように、「人口減少のダメージを少なくしましょう」ということを言ってきた。若年層の流失ということがあるので若者や女性、外国人の支援という基本線は変わらない。それに加えてシニア層が仕事や仕事以外での充実感を実感できるようなテコ入れをしていきたい。

 それからハード面の整備が大きく動いてくる。一ノ関駅東口工場跡地、一関商工会議所の移転後の跡地活用のほか、一ノ関駅東西自由通路の実現可能性に係る調査結果は、10月にJRから示される。今後の4年で完成には至らないが、形が見えてくるものも多くなるだろう。国道4号線の4車線化は、高梨交差点より南側で工事が始まる。大槻交差点から平泉バイパスまでについては要望をしているが、事業化に向けたステップとして調査区間へ位置づけされるよう頑張っていきたい。笹ノ田トンネルは、県が課題等検討協議会を開催しているが、事業化へ向けたステップとしたい。一関遊水地事業は、本体がほぼ完成しており年明けには供用開始となる見込みなので、次はJR磐井川橋梁について議論をしていきたい。

 産業の面では一関東第2工業団地の拡張した部分への誘致を進めたい。厳美地内に整備を進めている一関インター西産業用地は、工事が進んでくるので分譲開始にこぎつけたい。学校跡地はそれぞれ産業用地として使っていく方針だが、工場に限らず、先日県の審議会で承認された広域通信制高校のような活用の仕方もできる。学校跡地は、首都圏だけでなく海外にも紹介しているので動きができてくると思う。次の4年間で、これまで要望していたものが、実際の動きとなって始まるものが出てくる。しかし、これらによって人口減少へのダメージの軽減になるかというとそうではなく、若者、女性、外国人、シニア層などの人ごとにどういったことをやっていくかという両方で進めたい。

 これまで以上に人口減少のカーブがきつくなる。合併したことと、人口が減ることが重なって捉えられてしまうが、合併したから人口が減ったわけではない。

【記者】

 合併して20年経過した。当時は新市建設計画があり、合併特例債があったがこれからは予算の面でも難しい局面を迎える。新しいビジョンを示していくときだと思うがいかがか。

【市長】

 新しい総合計画は複合的・複眼的なものの見方で進めていかなくてはならないので、行政の部署ごとではなく、まち、ひと、しごとという見方から編集している。例えば、商工会議所跡地の売却は、入札による価格だけで買い手を決めるのではなく、中心市街地の活性化や町の賑わいというアイディアを評価して買い手を決めるという手法をとった。市役所に中心市街地活性化という担当部署はないので、部署を横断し、複合的な目的やねらいを共有してやらなければならない。民間から見れば当たり前の話だが、行政はできなかった。

 新しい総合計画は、従来の、「農業は、工業は、福祉は、」などというくくりではなく、まち、ひと、しごとという分類の観点から編集すれば、目標やねらいをもって仕事をすることになると思う。合併特例債や過疎債も無限のものではない。新しい総合計画の計画期間10年のうち前半はよいが後半は厳しくなっていく。

【記者】

 2期目にあたって佐藤カラーを出していく時だという支援者の応援演説があったが、佐藤カラーをひとことで表すと何というワードになるか。

【市長】

 私は市職員出身だからかもしれないが、夢や希望をワンワードで語るタイプではない。今起きている課題にどう対処していくかという発想だ。あえて言えば「人口減少が課題で、ダメージをできるだけ少なくしていく」ということだ。先ほど申し上げた若者、女性、外国人、シニア層といった人ごとの対策やハード面の整備について、今後の4年でやれる水準まで上げてきたのが1期目の4年間だった。これらを淡々と進めていけば成果が見えてくるのではないかと思う。

【記者】

 人口減少は旧東磐井地域の方が顕著だ。市町村合併して20年が経過したが、旧東磐井地域への対策はどのように進めるか。

【市長】

 産業振興と地域振興をしっかり分けて、手を打っていくことが必要だ。産業振興は農業と農業以外に分ける。農業以外では工業団地を分譲することが従来の手法だったが、東磐井地域は地形的に造成費が掛かり増しするため分譲価格に跳ね返り、成り立たない。したがって学校跡地を活用するという方法をとることにした。農業の生産振興ということで考えれば、集約化、法人化、組織化を進めることが必要となる。

 みなさんが指摘するのは地域振興・農村振興のことだと思う。旧東磐井の各地域は、これまで様々な行事やイベントを地域の特色を生かして続けてきているので、その火を絶やさないようにしたい。お祭りの担い手がいないという課題には予算をかけてやっていきたい。あとは水道、下水道、道路、消防などの生活インフラや環境を維持していくこと。お金はかかるが行政としてやっていくしかない。それ以上の地域振興策は何かとなれば、地方の一市町村が予算や人をかけてできるものではない。 

以上

終了時刻 午前12時10分